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キャンドルドリーム ソラ編 第3章 7

キャンドルドリーム  ソラ編
 3章 : リガイは牢屋でチェスをする [7]


 先ほどのリガイ戦とは違い、創志は守り一辺倒となった。リバルトは様々な方法で創志の陣地を崩そうと総攻撃をかける。しかし創志も相手の攻撃をギリギリで凌ぎきっている。レベルの違う戦いにリガイは瞬きすら惜しんで盤上の戦いを見つめていた。
「防戦一方かい?」
 リバルトは魔法士を前進させて包囲陣を敷く。その範囲から兵を下げる創志だが、次第に面制圧されていく陣地の所為で王の逃げ道がなくなってくる。リバルトは攻撃の手を緩めない。
「さぁ、それはどうでしょうか」
 創志は騎士を敵陣へ動かす。リガイが先ほど負けた騎士突撃戦法を思い出してその駒の行方を注目するが……
「【伏兵】」
 リバルトのカードにより、あらかじめ指定されていたマスに兵士が現れ、騎士の駒が討ち取られる。創志が眉をひそめた。
「まずいな……」
 創志は苦笑しながら弓士を押し上げる。対してリバルトはさらに前線を押し上げる。この状況を実際の戦場で例えるなら篭城戦だ。創志がいる王城はリバルト軍に完全に包囲されたが、ガチガチに固めた城壁からの矢がリバルト軍の突撃を遮っている。
「兵糧の概念が無いのがこのゲームの不服な点でね」
 リバルトは苦笑しながらさらに創志の城壁を削り取っていく。
「盤上競技ではそこまで表現できないでしょう」
 創志も笑って相手の威勢を削ぐ。そんな攻防が続いて、とうとうお互いの駒が疲弊してくる。創志は守るのに手一杯。しかしリバルトも多くの駒を失った。
「【増援】」
 リバルトはその時、とうとう最後のカードを手放して戦力を増強する。攻めあぐねていた彼にはその切り札を使うしかなかった。だが、そのカードを見て創志は唇の両端を吊り上げた。
「確かに兵糧の概念が無いのは残念です」
 創志は残った二枚のカードを一気に切る。それは両方とも【伏兵】。まるで攻城部隊と補給部隊を遮断するかのように兵士が盤上中央に現れる。
「でも、兵糧が無くても効果的ですよね?」
 リバルトは失笑しながら答える。
「ゲームに撤退はないからね」
 増援部隊が潰され、リバルト軍と防衛軍が相殺する。すると盤上に残ったのは伏兵で出てきた創志の二部隊だけだった。
「駒が足りないな……」
 リバルトの苦笑を見据えながら、創志は静かに告げた。

「チェックメイト」


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